オハイオ霜月便り

 

2017年11月1日 霜月便り

ここオハイオの晩秋は、ほぼ収穫も終わり、
大豆畑は広大な何もない平地と化し、とうもろこし畑は茎を残すのみ。

小さな子供たちは、刈り取られた道端の雑草を丁寧に熊手で寄せ集め、
楓の大木が散らす落ち葉や干し草と共に、天然のマルチを畑に蒔いた。

ぼんぼりの揺れる下、活力のある大地の匂いを残したままの藁椅子に憩いながら
200個以上もある山盛りのリンゴを、
少年たちが、木製の古いアップル・サイダー・ジューサーで潰してゆくのを眺める。
甘いりんごの匂い、熱々のドーナッツにサンドイッチとフレンチ・プレス・コーヒー。
それは紛れもない今も昔も変わらぬアメリカそのもの。
訪う人々は、インデイアン・サマーの心地よさに包まれながら談笑する秋祭り。

その恒例の葉月のおもてなしも早すぎて、
村の素朴な暮らしは、大地の恵と神に感謝を捧げる感謝祭を静かに待っているようだ。

私は、間もなく一家と共に、
ミネソタ州のハテライトを訪ね撮影する旅に出かける。

旅から戻れば感謝祭、アドベントと、、、季節は足早に過ぎ行く季節だけれど、
夕陽に染まる、美しいブドウ畑の照り葉に、
緑滴る夏を想い、
一年で最も人の温もりが嬉しい団欒のひと時に、
健やかで平穏な日々を感謝し、
愛する家族と、そして家族同様の縁を結ぶこととなった一家の倖せを願いながら、
馥郁と薫る時の移ろいを暖炉の炎に重ねる。

 

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